\ レポート /
縁(えん)醸すプロジェクト 第三回目を開催しました!
酒米づくりから酒造り、そして蔵人レストランの運営へ・・・佐久の1次、2次、3次産業を全部楽しんでしまおう!と始めたこの企画。初めての長期プログラムですが、メンバー同士が本当に仲良くなり盛り上がっています。当日の様子をレポートします。
第三回目 ~佐久の豊かさを体感する~
2022年10月1日(土)〜2日(日)開催
実りの秋を迎えた佐久、最高の秋晴れの日にKURABITO STAY初の長期プログラム「縁醸すプロジェクト」の第三回目となる「酒米の収穫」&「佐久の食への理解を深める」ツアーを行いました。
一日目は、KURABITO STAYが目指す人と地域の繋がりを感じていただきたく、「佐久の食材の生産者」さんを訪問したり、「佐久の食材と日本酒のペアリング」を食す体験をしていただきました。
スタートは佐久地域の文化や風土、食や産業を紹介し触れていただく長野県下最大の産業祭「ぞっこん!さく市」へ。佐久市で観光イチゴ園を運営する「井上寅雄農園」さんの出店ブースで、自慢のイチゴと橘倉酒造の甘酒を使った「イチゴ甘酒スムージー」をご紹介いただき、早速お買い物!イチゴ100%の贅沢なかき氷「イチ氷」も美味しかったです♪
その他にも多数のキッチンカーや屋台から美味しそうな香りが漂い、佐久市内から集まった生産者・飲食店の方々と交流しながら佐久の魅力を堪能してきました。他にも「トラック市」で色々な“働く車”に乗ったり、匠のコーナーで木工作業に没頭したり、「こんなに大きな会場で大勢の出店と参加者で賑わっている場所は久々!佐久は活気がありますね。」と楽しんでいただきました。
ランチは佐久市産の自社製チーズ、野菜・お米、味噌等を使ったランチを提供している「ボスケソ・ウマバル」さんで、佐久市産の日本酒×チーズのペアリングに舌鼓!
「ボスケソ・ウマバル」を運営するBOSQUESO CHEESE LAB.は、元自動車メーカーエンジニアという経歴を持つ是本健介さんによって2016年に設立されました。日本で最も海から離れた佐久でチーズ作りを始めたのは、この地の美しい四季、品質の高い農産物、加工品、こだわりのある職人たちとの出会いがあったからだそうです。現在、地域の風土を活かしながら牛乳製、山羊乳製を合わせて15種類以上のチーズを製造しています。この日のペアリングランチでは、チーズとの相性を考えて、お酒好きの是本さんが日本酒をチョイス。これだけの種類のチーズを日本酒と一緒に食べ比べられるなんて・・・本当に夢のようでした。チーズ工房が運営するカフェならではですね。
佐久市臼田へ移動して、「信州サーモン」を養殖している「ナバナ淡水」さんを訪問。
長野県が開発し宮中晩餐会で食されることもあった「信州サーモン」。ナバナ淡水さんは、すぐ隣の千曲川の水を引き込み、稚魚から三年かけて養殖しています。無事に成育するまでにはきれいな水を保つために台風の夜は寝ずに管理することもあるそうです。餌やりの体験もさせていただき、養魚場を見るのは初めてというメンバーは食材の原点をしっかり観察させていただき感慨深げでした。
次の訪問先は、プルーン生産農家の「土屋果樹園」さん。今では佐久市を代表する果物となった「生プルーン」。
約50年前に先代が苗木を植え、20年近い年月の試行錯誤を経て現在に至ったとのこと。生のプルーンを食べること、樹になっている実を見ること、収穫すること、どれも初めてづくしの体験!土屋さんのご厚意で晩生のオータムキュート、プレジデントを堪能させていただきました。
昼間たっぷりと佐久市を歩き回った後は、KURABITO STAYへチェックイン。
お楽しみの夕食懇談会では、ゲスト蔵元:土屋酒造店の「酒米作り・酒造り」、「食中酒としての日本酒」について土屋聡社長からお話を伺いました。
佐久の自然に寄り添い地域に根差した持続可能な未来創りの理念のもと酒米作りを行い、特色のある酒造りをされているお話を熱心に聞きながら、探究心の強いメンバーから専門的な質問が飛び出す場面もあり、土屋社長も一層熱心に解説をしてくださり、日本酒の未来について語り合いました。更に、サプライズでフランスからの海外中継タイムがありました!折しもパリで開催されていた「Salon de SAKE」に橘倉酒造の平社長が出張中で、ヨーロッパに日本酒の魅力を紹介している会場の様子を紹介していただきました。
フランス中継のあとは、お待ちかねのディナー「フレンチ×日本酒のモダンペアリング」です。
地域食材に精通し佐久平駅前でフレンチレストランを経営する「クロワサンスcroissance」の青木シェフによる出張料理!前菜には昼間見学したナバナ淡水さんの信州サーモンを使用した“ミキュイ”ד茜さす SPARKLING DRY”のペアリング。一皿一皿、趣向を凝らした料理と日本酒が続き、胃袋を満たしつつ生産者・作り手との交流から始まった一日目を締めくくりました。
菜花さんの信州サーモンが大変身!
土屋社長と乾杯!
青木シェフによる美しいお料理の数々・・・出張料理とは思えないクオリティに皆様、大満足でした。
そして、二日目は待望の「酒米の稲刈り体験」
5月末にプロジェクトメンバーで田植えをした苗は順調にすくすく成長し、恵みの秋を迎えて稲の刈り取り作業が出来ました。稲の生育過程を大切に管理してくださった農家(井出あきのり)さんのお蔭です。
まずは、しっかり実り穂を垂れた稲を一株ずつ鎌で刈り、藁で縛って束ねる作業。田植えの時と違い、乾いた田んぼに足を踏み入れてザクッ、ザクッと鎌を入れて刈り取ります。ずっしり実った稲の重みを腕に感じて、手にした瞬間の笑顔はもう最高です!「やったー!取ったぞ!」「感慨深いなぁ~」メンバーの皆さんの嬉しそうな声が響きます。
次は藁で束ねて天日干しするための棒に稲を掛ける“はぜ掛け”です。藁で束ねるコツを教えていただきながら初挑戦。藁を縛る力の入れ具合がなかなか難しいものですね。おぼつかない手元を笑顔で見守ってくださる農家さんに手助けしてもらい自分たちで植えて刈り取った酒米のはぜ掛けが完成!秋の青空と浅間山を背に見事な稲の姿に感動。なんだか誇らしい気分です!
作業中、お散歩で通りかかったご近所さんが「絶好の稲刈り日和だね~昔はみんなではぜ掛け作業をしたもんだ。大勢で賑やかにやってねぇ。こんな風景だったよ。」と懐かしそうに話してくださり、首都圏から来て酒米づくりをしている取り組みにも関心を寄せてくださいました。地元の風景としてみなさんの活動を喜んでいただいた一面でもありました。
その後は最新機械のコンバインが登場。刈り取りから脱穀まで一気に行って、黄金色の稲穂は玄米の粒に大変身です。そして、玄米を乾燥し、選別し袋詰めする工程を見学させていただき、酒米の等級検査を受けるまでのお話をお聞きしました。お米を育てる過程は自然相手のご苦労があることに加え、酒米として仕上げるまでの米農家さんの大変さを知り、皆真剣な表情で学ばせていただきました。
米農家さんとともにお弁当タイム。「麹」をふんだんに使用したお弁当を美味しくいただきながら、橘倉酒造の営業部門の井出太さんから日本酒をより多くの方に親しんでいただく販路や販売イベントについてお話をお聞きし、メンバーからは日本の消費経済の課題にまで話題が拡がり熱い対話時間となりました。
次回は、いよいよ酒米を日本酒へ変身させる蔵人体験です!
より一層思いを込めて酒造りができることでしょう。
\\ツアー訪問先のご紹介//
◆井上寅雄農園:https://www.facebook.com/inouetoraonouen/
◆ボスケソ・ウマバル:https://www.facebook.com/bosqueso.uma.bar/
◆クロワサンス:https://www.facebook.com/profile.php?id=100063494296134