水田

酒蔵と水田

7つの酒蔵がそれぞれの想いで酒米づくりをする。その舞台である水田やそこでの酒蔵の取り組み、その水田のお米から醸造したお酒をご紹介します。

大塚酒造

御牧ヶ原 | 山恵錦

山岳パノラマが広がる御牧ケ原

御牧ケ原は、標高700~800メートルほどの静かな丘陵地に広がる広大な台地です。蓼科山や北アルプス、浅間山などをぐるりと見渡すことができ、爽やかな風が吹き抜けています。この地域は川の水には恵まれておらず、ため池の水を水田の水源にしています。この地で、御牧ひまわり農園の掛川育臣(いくみ)さんが、大塚酒造の山恵錦を栽培しています。

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大澤酒造

茂田井春日向反 | ひとごこち

先代から続く酒米造りの水田

茂田井春日向反(もたいかすがむかいぞり)地区は、浅間山と蓼科山の美しい眺めと、段々になった何枚もの水田を見渡せる絶好の場所です。ここで米作りを行っている伊藤盛久さんは代々続く農家。彼の手がける水田に一目惚れした大澤酒造の13代目蔵元、大澤進さんとの出会いから、大澤酒造に飯米の「ながのほまれ」を提供し、現在では酒米「ひとこごち」を栽培しています。

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土屋酒造店

五郎兵衛新田 | 金紋錦 ひとごこち

ブランド米の産地五郎兵衛新田

今から370年前、市川五郎兵衛が自らの財産を投じて、蓼科山の湧き水を引いた用水路を築いたことから「五郎兵衛新田」と呼ばれる地区。コシヒカリのブランド米五郎兵衛米が有名です。この五郎兵衛新田で、コシヒカリと酒造好適米を育てているのが、ファーム中鶴の丸山和則さんです。丸山さんが、土屋酒造店の金紋錦とひとごこちを栽培しています。

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芙蓉酒造

野沢 | 高原のしずく

ブランド米「高原のしずく」を育む水田

佐久市野沢地区は、コシヒカリの生産地として知られ、「高原のしずく」というブランド米が特に有名です。特定の肥料を使用し、節減対象農薬を5割減、化学肥料は9割減にするという厳しい規定をクリアしたコシヒカリのみが「高原のしずく」として名乗れるのです。この「高原のしずく」を栽培しているのが小泉重幸さん。小泉さんの「高原のしずく」で芙蓉酒造がお酒を醸しています。

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橘倉酒造

臼田 | 美山錦

酒米づくり挑戦と日本酒ツーリズムの舞台

長年の間、橘倉酒造から酒米づくりを委託されていた井出明徳さん。その水田で美山錦が育まれています。19代目蔵元の井出平さんの「酒の魅力を高めるためには自分たちも米作りをするべきである」との考えから、蔵元始め、蔵人が米作りに取り組んでいます。また、この水田はKURABITO STAYの日本酒ツーリズムの舞台にもなっています。

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橘倉酒造

臼田 | 金紋錦 ひとごこち

小さな水田から始める自社栽培

地元では「ローズ裏」で通じるという、蔵のすぐ裏手のローズ美容院のすぐそばで、千曲川にかかる住吉橋を渡ると見えてくる、民家の脇のこぢんまりとした場所。ここで、2020年から自社栽培に取り組んでいます。この小さい田んぼで、信頼できるお米造りのプロ、井出明徳さんのサポートを受けながら、蔵元と蔵人が一丸となって手作業で金紋錦やひとごこちを育てています。

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芙蓉酒造

大沢 | ひとごこち

千曲川水系の恵みが良い酒米を育む

佐久市大沢、地元では御岳と呼ばれる場所で米作りを手がけるのは小泉重幸さん。この地域は「水がよく、寒暖差があり、米を育てるには最高。食味が良くて甘さがあり粒も大きく美味しいお米が出来るんだよ。」と小泉さんは言います。酒造好適米も良いものができるはずと、ひとごこちの作付けも行なっていて、このひとごこちを芙蓉酒造が日本酒に醸しています。

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土屋酒造店

下小田切 | 山恵錦

厳しい有機JAS認定を取得した水田

清川地区で野菜やコシヒカリを栽培する有機農家の田島さん。田島さんとの出会いから、土屋酒造店でも有機の酒造好適米を使うことになりました。田島さんは、コシヒカリの栽培で忙しい中、「地元の企業を支援する」という想いから、山恵錦の有機栽培を始めたのです。6代目蔵元の土屋聡さんは、有機米の良さを実感し、田島さんの育てる山恵錦を使った「茜さす BIO」を完成させました。

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佐久の花酒造

清川 | ひとごこち

佐久の花酒造が水田を所有する佐久市の清川地区は、浅間山を背景に、季節の移り変わりを感じることができる場所。5代目蔵元の高橋寿知さんが「水もちの良い土壌で、稲に栄養がまわり、風通しが良くて病気にもなり難く、日当たりも良くて生育が良い。」と、自然の恩恵を存分に受けられる最高の場所だといい、ここで自ら酒造好適米「ひとごこち」を育て、美酒を醸しています。

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佐久の花酒造

下越 | 山恵錦

酒蔵近くの山恵錦が育てられている水田は、四角い形に圃場整備され、綺麗に並ぶ美しい風景が広がっています。「昔はいびつな形の水田ばかりだったんだけどね」と子供の頃を思い出す寿知さん。この辺りは1反歩(約1000平方m)という小さな面積のものが多く、3反歩で25~26俵ほど山恵錦を収穫し、高精白に向いていることもあり大吟醸に用いています。

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黒澤酒造

田崎集落 | ひとごこち

小海線の八千穂駅からほんの50メートルほどの丘の上に位置する崎田集落に黒澤酒造の自社田があります。黒澤酒造は兄の黒澤孝夫さんが6代目社長、弟の洋平さんが杜氏を担っており、代々契約農家の協力により全ての銘柄に長野県内産の米を使用しています。2005年からは、「地域に根ざした酒づくり」の理念を更に深め、この水田から酒米の育成の取り組みがはじまりました。

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黒澤酒造

穂積天神 | 山恵錦

小海線の軌道のわき、穂積天神に広がる小さな自社田。水源の辺りは夏にはホタル、秋にはオニヤンマが生き生きと舞う姿が見られる水田で、10年間ほどの農薬や化学肥料を極力減らす取り組みが実り、2023年から完全に無農薬となりました。化学肥料を使わず、除草剤も使用しない。この穂積天神の無農薬水田で、蔵元と蔵人が自らの手で、小さな命と共に山恵錦を育ててています。

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